web業界の今年一年の総まとめ的なセミナーであるCSS Nite Shift11へ。
制作技術やデザインの話だけでなく、ツールや環境の変化するなかで、どのようにweb制作という事業を行っていけば良いか、再考する良い機会になりました。
基調講演
長谷川恭久さんによる、これまでの10年とこれからの10年の話。
iPhoneが出たのがちょうど10年前で、そのあたりから、webの制作手法にほ変化が。
自己表現のwebだったものからビジネスのwebになり、
認知のためのwebから比較検討段階での情報提供のwebにという変化も起きている。
今後10年を見据えて勉強すべきことは3つ。
情報設計、長方形ではないデザイン、デザインの言語化。
変わっていく環境の中で変わらず必要になることを極めて行くことが大切です。
マークアップ
小山田晃浩さんと久保知己さんによるマークアップのコーナー。
気づいた点は以下。
- 文字コードはutf8一択
- Gridレイアウト使えるけど、ieは鬼門
- jquery使わなくて良くなるケースも
コーディングを行う場面も多いので、最新の情報は大切です。
アドビ
浅野桜さん、黒野明子さんによるアドビツールのセクション。
AdobeXDやCaptureCC、など新しいAdobeのツールが紹介され、Photoshopなどの変更点も。
制作フローの中で活かせるツールも多いので、それぞれ試してみないといけないですね。
アクセシビリティ
植木真さん、土屋一彦さんによるアクセシビリティーのセクション。
アクセシビリティーは、インテンシブデザインと呼ばれることが増えてるようで、障害のある方などもデザインの工程に含めるという考え方に変わってきているようです。
障害を持つ方だけでなく、明るい屋外でスマートフォンの画面が見づらくなるように、どんな環境でも見やすい使いやすい方向にかわってきているようです。
文字のコントラストなど、配慮が必要です。
自分も40を過ぎて、少々小さい文字が見づらくなってきているので、見やすさ、使いやすさというのは気をつけて行きたいと思います。
マーケティング
益子貴寛さん、安達里枝さんによるマーケティングのセクション。
ユーザーの広告スルー力が向上して、従来の広告手法が効きづらくなってきている。その中でどう対応するかというお話。
適切な場所、時間帯、気分というユーザーの心にフィットして、態度変容を起こすしたたかマーケティングが必要となってきており、さらにユーザーへのお役立ち、絞込、自己実現という要素を満たすことも重要になっています。
時間帯を上手く活かした広告や、知恵袋やTwitterでのアクティブサポートの事例などを交えつつ、紹介されていました。
それでも、今までのゴリ押しマーケティングしたいクライアントもいるので、その場合には、ゴリ押しとしたたかの予算配分をすべきというアドバイスも。
したたかマーケティングを実際に行っていくには、継続的にマンパワーがかかるので、そのあたりを理解させることもweb屋には必要になるのでしょうね。
フォント
鷹野雅弘さん、関口浩之さんのフォントに関するセクション。
webフォントや新しく登場したフォントが紹介されていました。
「世界観のあったフォントがあれば無駄な装飾不要」という言葉が一番頭に残っています。
フォントの選択肢が増えて来ているので、装飾で何とかするのではなく、フォントで世界観を伝えるのも選択肢の一つです。
そのためには、サイトや広告の世界観をきちんと定める必要はありますが、もう少しフォントにもこだわろうと思います。
スマホUI
佐藤洋介さんによるスマホUIのセクション。
注目されているアプリを紹介されていました。
中でも、個人や芸能人が通販番組をやるようなライブコマースやARなどは熱い。これからもどんどん増えていきそうです。
また、web制作にも関わりそうなアプリとしては、手書きでワイヤーフレームが作れるAdobeCompやスマホで簡単に画像補正が出来るPhotoshopFixあたりはweb屋としても使いこなしたいところです。
デザイントレンド
原一浩さん、矢野りんさん、坂本邦夫さんによるデザイントレンドのセクション。
毎年、その年にリニューアルされた数千サイトを閲覧し、その年のトレンドを解説するコーナーです。
気づいた点は箇条書きにすると
-
- アニメーションは雰囲気
- webVR増えてきてる
- コピーは短く大きくなる傾向
閲覧するデバイスが多様化する中、デザインもコピーも変わってきてますね。
クロージング
中川直樹さんによるクロージング。
自社の変化をもとにこれまでの10年とこれからの10年を予測。
予算規模拡大していく傾向にあり、ざっくりまとめると
- webマーケティングからデジタルマーケティングに
- コンテンツイズキングからブランドイズキングに
- 受託からパートナー型へ
- コンテンツis Kingからブランドis Kingへ
という変化が起こっています。
今後はAIやツールなどを使った廉価なweb制作も増え均一化されてく一方、そのレベルから抜きん出るには人間の力が必要になる。
その付加価値をいかに付けられるかが勝負になるようです。
まだまだweb屋の仕事は減らない、むしろ増えていくので、柔軟性をもって守備範囲を広げる必要があるようです。
まとめ
デバイスが多様化し、ツールも増える中、作り方も仕事の内容も今後は変わっていくでしょう。
ただ、作って終わりのサイトでは意味がないので、したたかマーケティングを行ったり、どんどん変えて行きやすい更新していきやすいサイト作りが必要になるのかなと思いました。
そのためにはクライアントへの教育も必要になるし、運用面のサポートも必要。
仕事の取り方や提案の仕方も変わっていきそうです。
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