2019年6月15日に行われたウェブ解析士会議。
各セッションとも充実しており、会費を収めている分割り引かれているとはいえ、お得なセミナー・イベントでした。
ウェブ解析士協会とは
ウェブ解析士協会は、累積受講者数3万人以上、資格維持者年間1万人以上の、ウェブマーケティングに必要なスキルを教える協会です。
ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターの資格を認定している協会で、資格を維持するための試験なども行っています。
ウェブ解析士会議
ウェブ解析士会議は、ウェブ解析士をメインに集めたセミナーイベントですが、解析士以外の方も参加できます。
昔は、カイセキシナイトとかいうイベント名だったような記憶もあるのですが、解析士会議には2017年から3回連続で参加させていただきました。
セッション内容
今回のセッションは、webマーケティング関連のセッションだけでなく、デザイン、プレゼン、レポーティングなど、幅広いながらも、それぞれ濃密なお話でした。
購買心理を活用し、もっと「売れる」見せ方に
〜数字を上げる文章とデザインのコツ
谷本 理恵子さんによる男性マーケッターには分かりづらい女性特有の購買心理のお話。
購買行動の違いを「あるある~」と納得できるわかりやすい例でお話されていて、とても分かりやすかったセッション。
男性はヒーロー的な物語で、効率よく勝つために、というような話が好きですが、女性はプリンセス物語。戦ったりするのではなく、今は仮の姿、今の延長に理想の未来はなく、必要なのは魔法、という、男性とは全く違う物語の組み立てが必要です。
文章の読み方も全く違い、納得するところはスピードが速く、疑問に思うところは遅くなるなど、ヒートマップで熟読エリアと捉えている場所も、実は注意しないと間違えてしまいます。
その他にも、複数の男女の購買行動の違いをわかりやすく解説されていて、著書を即買い。
谷本さんの著書はこちらから
ウェブ担当者のためのサイト集客マップ
サイト集客マップに関する平岡 謙一さんのセッション。
webマーケティングに関するよくある悩み、SNSの効果を実感できない、ブログの更新のネタが尽きた、なにから手をつけたらよいか分からない、などは、施策の全体像が見えてないのが原因。
集客マップとは、客層をサービスなどを1知らない、2知っている、3ファン、の3つに分け、それぞれに入り口と出口を設計。各入り口KPIと、出口KPIを設定し、 関係者全員で共有するものです。
集客ルートを一つに限定してKPIを作っても、その施策が最適なのか判断しづらいので、客層に分けた集客・送客施策が大事ですね。
非デザイナーだからこそ知っておきたいデザインの原理原則、差が出る着眼点
鷹野 雅弘さんによる、非デザイナー向けのデザインのセッション。
CSS Nite登壇時にスライドのチェックをしていただいたのですが、ほんの少しの調整だけで見やすさ、分かりやすさが変わるので、楽しみにしていました。
デザインとは飾り付ける・盛ることではなく、取捨選択して整理してスッキリさせる、ということ。内容・見た目・気持ちをスッキリする状態にすること。
実際に仮のチラシや、プレゼンに使いそうな表組みなどを使い、どこをどうすると見やすくなるのか、ワークショップも交えて説明されていました。
省いても良い要素は省いてみる、テキスト処理は装飾ではなく世界観にあったフォントで、色や形を考える前が大事、など、受け手の状況や気持ちを想像したデザインにしていかなければと気付かされました。
企業相手に仕事をするなら絶対に知っておきたいBtoBマーケティングの要諦
Twitterでの発信も豊富な枌谷さん。
過去のCSS Niteでもお話を伺っていたのですが、今回もweb制作会社として改めて学ぶことが多かったセッションです。
マーケティングやセールスのプロセスを図でまとめること、BANT条件を受注するまでに聞き出すなどの営業的な話から、採用もオーガニックで集めているという情報発信まで、同業者としてとても参考になるお話でした。
課題解決のストーリーが大事で、課題形成の段階に向けての情報発信の重要性など、BtoBマーケティングでの情報発信の方向性が整理されました。
人を動かすためのレポート作成術
解析関連の書籍も多い小川卓さんのセッション。
解析レポートの目的は、意思決定者に意思決定をしてもらう、決定できる情報を提供するということ。 数値や表・グラフは何も語らないのでどうすべきかというお話でした。
まず1つ目にサマリーシートを作成すること。
サマリーシートとは、1枚3分で説明できる結果とアクションを表したもので、全員に同じ内容を伝えられ、意思決定に必要な情報のみにしぼり、情報共有を簡単にするものです。
いきなり書き始めるのではなく、手書きでレイアウトしてからレポートにするほうがオススメらしいです。
2つ目は数値×施策シート。
施策のスケジュールと数値をまとめるシートで、今後の施策や、振り返りが容易になるものです。
確かに施策だけの情報だと、何をいつやるのかが分からないですが、スケジュールも入ることで分かりやすくなります。
3つ目は改善施策の提案方法。
意思決定者をサポートする内容にすることが大切で、意思決定の中で選んでもらうプロセスも不可欠とのこと。
口頭では施策の選択肢を提示することもありましたが、レポートの形でもやっておいたほうが良いのかも知れません。
確実に伝えるための超プレゼンテクニック
プレゼンテーションに関する著書、講演も豊富な西脇さんのセッション。
良い例、悪い例など、プレゼン方法によってどんな違いが出るのか、具体的に体験できるセッションでした。
良いプレゼンテーションには自信と情熱・愛情があること、資料・話し方それぞれによる視点誘導の重要性、ホラーストーリーやシンメトリックのシナリオテクニック、話し方の具体的なテクニックなど、あっという間の55分。
サクセスストーリーを使いがちですが、使ってよいのはブランド価値が形成済みのものだけ。結構、間違えて構成しているプレゼン、サイトも少なくないのではないでしょうか。
8月にも2時間のセミナーを行われるようで、予約済みでしたが、楽しみです。
Evangelist of WACA 2018に選ばれました
そして、ウェブ解析士会議ではウェブ解析士アワードの表彰があるのですが、私もノミネートされ、ウェブ解析士アワードでエバンジェリストとして、盾をいただきました。
評価理由は、セミナー実況Tweetなどの情報発信。
そのツイートなどが選定委員の方の目に止まったようで、選んでいただきました。
来年もいただけるように、情報発信がんばります。
参加された方々のツイート
ウェブ解析士会議に参加された方々のツイートはTogetterにまとめられています。
ウェブ解析士会議 2019「Action!」 #wacajp
まとめ
毎年参加させていただいているウェブ解析士会議ですが、年々内容が充実しているように感じます。
解析士以外の方も参加できますので、ウェブ担当者、コンサルタント、ブロガーなど、webに関わる方にはオススメです。是非、来年は参加してみてください。
コメント